それでも走るか?! 157 【お勧め】日常の辛さが吹っ飛ぶ本
【生きる希望】
ずいぶん前に読んだ本。
最初に読んだ時は、内容が重すぎて少しずつ読むのが精一杯でした。
突然思い出し、また読んでみたくなりました。
少しだけネタバレ、ご容赦ください。
「たった一人の生還」という本
悪天候の中のヨットレースで転覆。
27日間漂流した1人の生存者によって書かれた体験記。
救助された様子は、ニュースでも取り上げられていました。
年末年始を挟み開催された『グアムレース』での出来事です。
筆者の船の他、1隻が転覆、2隻がリタイアするほどの悪天候。
準備期間に余裕が無く、直前までバタバタしていて安全装備の確認がおろそかだったことで、助けを求められなかったこと。
悪いことが重なり、漂流することになります。
陽が昇ると、希望が湧いてきて、日が暮れると絶望に変わる心情。
哨戒機が近くを飛来し、今度こそ助かる、という期待にも裏切られ、一人ずつ息絶えていく表現は、妙に生々しい。
仲間の一人ひとりが無くなる様子。
朝起きたら、目を開けたまま冷たくなっている。
人間って、希望を失うと終わりなんですね。
実話という現実が、表現のリアルさを増します。
最後の相方が息を引き取ったあと、一人ぼっちになるのが怖くて、暫く水葬できずにいた、なんていう心情は、フィクションでは思いつかない発想だと思います。
242ページの本編と“あとがき”、今回は3時間ほどで一気に読みました。
この手の本は、日常で辛い目にあっている時など、励みになります。
いま、仕事大変だけど、一人で漂流するよりは良いかな。
人間関係最悪だけど、一人ぼっちよりはいいかな、とか。