それでも走るか?! 125 逃げるが勝ち? 悩み解消「逃げる自由」
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【『逃げる自由』という本】
前回の『諦める力』続編にあたる本。
元陸上競技選手、為末大さんの著書の紹介です。
寄せられた相談事に著者が答えるという形式で、一冊の本が出来上がっています。
例えば、
仕事で「やりたいこと」がないのは悪いことでしょうか
これは、書籍の冒頭に出てくる相談ですが、共感を覚え、自分も色々考えさせられてしまいました。
相談者は会社員49歳の女性。
上司に「(仕事上で)自分がやりたいことを考えてみなさい」と言われ、私生活で最優先すべきことはあっても、仕事で「これをやりたい」というものがない、という悩みです。
著者は、「私は特に仕事でやりたいことは無いですが、できることはこれとこれです。そこで価値を出し続けたいと思っています。」と伝えるのが妥当ではないか、と答えています。
私としては、この上司の質問が悪い、と思ってしまいます。
20代の、将来をあれこれ想像できる年齢であれば、自分の在りたい姿に必要な経験を積むための“やりたい仕事(自分がやるべきと考えている仕事)”もあるでしょう。
残された会社生活の少ない歳になって、やりたいことを聞かれても「日々が不自由なく生活できていれば良いので、やりたいことは特に有りません」が正直なところなんじゃないかと。
そもそも、上司は「今後、どのように会社に貢献していただけますか」という質問をすべきなのではないのかな、と。
相手の立場に合わせて質問を変えるべきだと思いました。
多種多様な相談事
以降、著者に寄せられている相談事が結構、興味深いんです。
・他人の期待に応えようと思うあまり疲れてしまいます
・高校生になっても母親と一緒に寝たがる息子がいて困っています
・部下がなにかにつけ「パワハラ」と騒ぎたてます
・過去の栄光が忘れられず、キャリアに行き詰まっています
などなど。
多種多様の相談に対し、元アスリートの書籍にありがちな、無理やりスポーツやトレーニングに結びつけるということもなく、幅広い知識から解りやすく答えていることに好感がもてます。
含蓄のある、心に残る言葉が随所に出てきますが、私としては『自分ではマイナスと思っていたことが、外から見ると価値に見えることもある。』が印象的でした。
前書『諦める力』の続編という位置づけですが、いきなり読んでも十分楽しめます。
オススめです。